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論文

Corrosion behavior of iron-chrome alloys in liquid bismuth

高井 俊秀; 古川 智弘; 渡辺 茂樹*; 石岡 典子*

Mechanical Engineering Journal (Internet), 9(4), p.21-00397_1 - 21-00397_11, 2022/08

がん治療用放射性医薬品として期待されているアスタチン211の量産技術として、量子科学技術研究開発機構において、革新的な"液体ビスマス標的システム"が考案された。このシステムを実現するためには、非常に腐食性の高いビスマス環境下で使用できる高耐食性標的窓が必要となる。この要請にこたえ、われわれは、高速炉および加速器駆動未臨界炉開発の一環として実施された鉛ビスマス環境下での材料腐食の知見に基づき、液体標的窓材を選定するための材料腐食試験を飽和溶存酸素条件下と低酸素濃度条件下で実施し、その腐食挙動を調べた。この結果、FeCrAl合金は優れた耐食性を示し、FeCrMo合金はこれに続いた。これら材料については液体標的窓材に適していると考えられる。

報告書

熱化学水素製造法ISプロセスの実用材料製反応機器およびヨウ化水素濃縮技術に関する研究開発

久保 真治; 岩月 仁; 竹上 弘彰; 笠原 清司; 田中 伸幸; 野口 弘喜; 上地 優; 小貫 薫

JAEA-Technology 2015-028, 32 Pages, 2015/10

JAEA-Technology-2015-028.pdf:23.69MB

熱化学水素製造法ISプロセスは、水素社会に向けた大量の水素を安定に供給できる水素製造技術の候補として期待されている。実用材料製反応機器の健全性及びヨウ化水素濃縮技術の研究を実施した。機器健全性の研究では、ISプロセスを構成する3つの反応工程について、実用材料製反応機器の試作試験を行った。ブンゼン反応工程では、フッ素樹脂被覆材等を素材とするブンゼン反応器を製作し、反応溶液を循環しつつ30回の熱サイクル負荷試験を行って健全性を確認した。硫酸分解反応工程では、炭化ケイ素製硫酸分解反応器を製作し、100時間の反応試験を行って健全性を確認した。同様に、ヨウ化水素分解反応工程では、ハステロイC-276を装置材料に用いてヨウ化水素分解反応器を製作し、100時間の反応試験を行って健全性を確認した。ヨウ化水素濃縮技術の研究では、カチオン交換膜を用いてHIx溶液を濃縮する電解電気透析法に取り組み、アノード液中の微量硫酸は濃縮挙動に影響しないことを見出して、HIx溶液の精製操作を簡略化できる可能性を明らかにした。さらに、Nafion膜及び放射線グラフト重合法で試作したETFE-St膜の性能を予測するため、Nernst-Planck式とSmoluchowski式に基づいてプロトン輸率, 水透過係数, 膜内IR損を定式化し、HIx溶液の電解電気透析における濃縮効率を支配する、膜におけるプロトン透過選択性、溶媒水透過性および膜の電気抵抗(IR損に伴なう電位差)の推算を可能にした。

論文

Structure analysis of cation selective Cr-goethite as protective rust of weathering steel

小西 啓之; 山下 正人*; 内田 仁*; 水木 純一郎

Materials Transactions, 46(2), p.337 - 341, 2005/02

 被引用回数:9 パーセンタイル:57.22(Materials Science, Multidisciplinary)

Cr-ゲーサイト中のCrの配位数を決定するために、人工育成Cr-ゲーサイトに対するEXAFS解析を行った。スペクトルはフォトンファクトリー(PF)の放射光を用いて測定した。フーリエ・フィルタリングを用いて最近接原子によるEXAFS振動を抽出し、カーブフィッティングで構造パラメータを求めた。その結果、(7$$pm$$1)個のO$$^{2-}$$がCrに配位していることがわかった。このことから、耐候性鋼のCr-ゲーサイト保護性さび層の最も特徴的な保護効果は、Cr$$^{3+}$$に配位するO$$^{2-}$$によってCr-ゲーサイト粒子に負の固定電荷がもたらされることで生じるものと説明できる。

論文

Difference between Cr and Ni K-edge XANES spectra of rust layers formed on Fe-based binary alloys exposed to Cl-rich environment

小西 啓之; 山下 正人*; 内田 仁*; 水木 純一郎

Materials Transactions, 46(1), p.136 - 139, 2005/01

 被引用回数:2 パーセンタイル:25.76(Materials Science, Multidisciplinary)

耐候性鋼の表面に生成するさび層の保護性は、さび層の構造に関係して現れる特性である。塩分環境下でCr添加型耐候性鋼のさび層よりもNi添加型耐候性鋼のさび層が高い保護性を持つことは、それぞれのさび層中におけるCr及びNiの化学状態や局所構造などの特徴が異なることを示唆する。塩分環境下での鋼材さび層の保護性に対するCrとNiの効果の相違を説明するために、塩分環境下で大気暴露したFe-Cr及びFe-Ni合金のさび層中のCr及びNiの周辺構造を放射光を用いたXANES測定によって調べた。Cr K-edge XANES測定の結果よりFe-Cr合金のさび層中のCrの局所構造はCr添加量によって変化し、したがってその構造は不安定であり、CrまたはCrが作る分子はその周辺の原子から比較的強く相互作用を受けると考えられる。一方、Fe-Ni合金のさび層のNi K-edge XANES測定から、Niがさび層構成物質の結晶構造の中の特定の位置を占有しており、このためCl$$^{-}$$イオンなどの影響をNiはほとんど受けず、保護性さび層形成にかかわる役割を阻害されないと考えられる。

論文

RIA-simulating experiments on high burnup PWR fuel rods with advanced cladding alloys

杉山 智之; 更田 豊志; 小澤 正明*; 永瀬 文久

Proceedings of 2004 International Meeting on LWR Fuel Performance, p.544 - 550, 2004/09

改良被覆管を備えた燃焼度約60GWd/tのPWR UO$$_2$$燃料を対象として2回の反応度事故模擬実験を行った。MDA被覆及び大粒径(約25$$mu$$m)ペレットを備えた燃料棒に対しピーク燃料エンタルピー条件435J/gで実施したOI-10実験では、約0.7%の被覆管周方向残留歪が生じた。一方、ZIRLO被覆及び従来ペレットの燃料棒に対して行ったOI-11実験では、燃料エンタルピーが500J/gに達した時点でペレット被覆管機械的相互作用(PCMI)による燃料破損が生じた。発熱部全長に及ぶ縦割れが被覆管に生じ、微粒子化した燃料ペレットが冷却水中に放出された。破損時の燃料エンタルピーは、当該燃焼度に対するPCMI破損しきい値209J/gを大きく上回っていた。本実験の結果は、従来のジルカロイ4と比較し、耐食性が向上した被覆管がPCMI破損に対してより大きな安全余裕を持つことを示した。

報告書

溶融塩と金属材料の共存性試験,2

椎名 保顕; 栗木 良郎*

JAERI-Tech 2003-070, 47 Pages, 2003/08

JAERI-Tech-2003-070.pdf:14.83MB

溶融塩を用いた潜熱蓄熱技術を用いると、高温から中温までの熱負荷変動を相変化潜熱で吸収させることができる。これを、高温ガス炉の複数の熱利用系の後段に取り付けることにより、核熱を高温から低温までカスケード的に利用することが可能となる。この場合、溶融塩と金属材料との共存性が問題となる。本研究では、前報に引き続き、溶融塩としてCaCl$$_{2}$$+NaCl, LiCl, Li$$_{2}$$CO$$_{3}$$, NaClの4種類を、また、金属構造材料としては、アロイ600, ハステロイB2, ハステロイC276, SUS310S及び純ニッケルを選択し、100時間の耐食性試験を実施して共存性を調べた。実験の結果、純ニッケルが卓越した耐食性を示した。ニッケル基合金であるアロイ600, ハステロイはLi$$_{2}$$CO$$_{3}$$, NaClに対して比較的低い耐蝕性を示した。SUS310Sはニッケル基合金と同程度の耐食性を示した。多少の腐食を許容するのであれば、一般に用いられるSUS310Sも構造材料の候補になりうると考えられる。溶融塩では、 Li$$_{2}$$CO$$_{3}$$が腐食性が高く、蓄熱材料として用いるには注意を要すると考えられる。

論文

長寿命・高精度の高温耐食隔膜式発信器の開発

石山 新太郎

まてりあ, 42(1), p.58 - 60, 2003/01

ダイヤフラム部をタンタル/SUS316でアーク溶接した高感度隔膜式圧力発信器は、HI腐食環境下で20,000時間使用した後、高サイクル疲労試験を行った結果、下記結論を得た。(1)本製品は、アーク溶接の際Ta/SUS316製ダイヤフラム振動節部に生成するTa-Fe組成の接合合金組織により、その機械的特性ならびに耐腐食性が極めてすぐれており、このダイヤフラムを用いた隔膜式圧力センサーは、1,000万回以上の圧力繰り返しに耐え、かつその際の計測最大誤差を0.2%F.S./$$^{circ}C$$以下の極めて長寿命・高精度にすることも可能である。(2)HIx高温溶液による長時間循環試験に20,000時間使用した後の同圧力センサーの寿命ならびに計測精度に劣化傾向は認められなかった。以上の結果から、Ta/SUS316製圧力センサーは1,000万回の繰り返しに耐える超寿命型・高耐食性・高精度センサーとして実用に耐えるものであり、一般産業用から極めて過酷な腐食環境において広範な分野での利用が可能である。

報告書

低放射化Mn-Cr鋼の特性評価試験,3; 耐食性の評価

斎藤 滋; 深谷 清*; 石山 新太郎; 佐藤 育男*; 楠橋 幹雄*; 畠山 剛*; 高橋 平七郎*; 菊池 満

JAERI-Tech 2002-047, 51 Pages, 2002/05

JAERI-Tech-2002-047.pdf:3.42MB

日本原子力研究所と(株)日本製鋼所は、共同でNi,Coが無添加のMn-Cr系低放射化鋼の開発を進めてきた。初めに合金成分と製造工程の検討を行い、平成9年度までにVCシリーズと名付けられた数鋼種を試作した。本報告書ではこれらの鋼種の特性評価試験の一つとして、耐食性試験を行った。ステンレス鋼の腐食試験の結果、各鋼種の相やMn量,C量と耐食性の関係,鋭敏化による腐植度の変化量などを調べた。また、非磁性の鋼種については、JT-60等の真空容器や遮蔽体の使用環境を想定した耐食試験(純水・80$$^{circ}C$$・3500時間)の結果、全面・間隙腐食試験では重量変化は殆ど無かった。ダブルU-ベンド試験でも割れの発生は見られなかった。

論文

Recent progress and future R&D for high-chromium iron-base and chromium-base alloys

菱沼 章道; 高木 清一*; 安彦 兼次*

Physica Status Solidi (A), 189(1), p.69 - 78, 2002/01

 被引用回数:13 パーセンタイル:55.67(Materials Science, Multidisciplinary)

高クロム鉄基合金またはクロム基合金は、現在の代表的工業材料であるオーステナイト鋼やフェライト鋼に比べて優れた高温強度と耐食性を有し次世代の有力な先進材料の一つである。しかしながら、これらの材料は一般的に脆いという大きな欠点があり、その本質的な開発研究はこれまでほとんど行われてこなかった。しかし、最近この脆性が高純度化によって克服される可能性が示され、これらの合金の開発研究が本格的に開始されようとしている。また、原子力材料への応用でも、優れた低放射化性や熱伝導度などから注目されつつある。本レビュー報告書では、クロム基合金を中心に、その魅力ある特性を従来材と比較して概括する。同時に、耐熱合金、耐食材料、原子力材料への適用の可能性及び高純度化によるその脆性の克服に関する現状と今後の展望を概説する。

報告書

第三回東海再処理施設技術報告会

槇 彰; 佐本 寛孝; 田口 克也; 佐藤 武彦; 清水 亮; 庄司 賢二; 中山 治郎

JNC TN8410 2001-012, 185 Pages, 2001/04

JNC-TN8410-2001-012.pdf:9.61MB

本資料は、平成13年3月14日に日本原燃(株)六ヶ所事務所にて開催した「第三回東海再処理施設技術報告会」の予稿集、OHP、アンケート結果を報告会資料としてまとめたものである。東海再処理施設技術報告会は、これまでに2回開催されており、第一回は「東海再処理施設の現状、今後の計画」について、第二回は「東海再処理施設の安全性確認作業」について、東海再処理施設においてこれまでに得られた技術・知見等を紹介してきた。今回第三回は、「東海再処理施設の腐食・ISIに関する実績と今後の計画」について東海再処理施設においてこれまでに得られた技術・知見等の報告を行ったものである。

報告書

東濃鉱山における工学材料長期浸漬試験 -金属材料編-

濱 克宏; 谷口 直樹; 本田 明

JNC TN7430 2000-002, 25 Pages, 2001/01

JNC-TN7430-2000-002.pdf:3.32MB

地下水中に金属材料が存在する場合の,地質環境への影響と金属材料の耐久性を評価する目的で,東濃鉱山坑内の花崗岩岩盤中において,非加熱条件での10年間の浸漬試験を実施した。平板状(30$$times$$30$$times$$2tmm)の金属試験片(軟鋼および工業用純チタン)を有孔の容器に入れ地下水に浸漬させた。本報告書では,金属材料の耐久性を調査するために,所定の期間後に回収した試験片の外観観察,軟鋼試験片についてはその重量変化の測定,各種方法による腐食形態および腐食生成物の観察・分析の結果を示す。主な結果は以下のとおりである。(1)軟鋼試験片の重量減少量から,10年間の平均腐食速度は4.36$$times$$10-3mm/yと求められた。(2)軟鋼試験片の腐食生成物は,緻密な皮膜状の物質の上に,多孔質な物質が堆積している形態であった。皮膜状の物質はマグネタイト等の2価の鉄を含む鉄酸化物,多孔質な物質はゲーサイトなどの3価の鉄を含む鉄酸化物でそれぞれ構成されることが分かった。(3)チタン試験片は試験開始時の研磨痕が保持されており,局部腐食等の発生は観察されなかった。

報告書

鉛冷却炉における炉心材料の腐食に関する調査・検討

皆藤 威二

JNC TN9400 2000-039, 19 Pages, 2000/03

JNC-TN9400-2000-039.pdf:0.66MB

高速増殖炉(以下FBRという。)の実用化戦略調査研究の一環として、冷却材として鉛を用いた場合の炉心材料の腐食について調査を行い、次のような知見が得られた。1.鉛-リチウム環境下でのステンレス鋼の腐食はNiの溶出が主要因であるため、Ni量の多い高Ni鋼ではとくに腐食が大きく、つぎにオーステナイト鋼、そしてフェライト鋼と順に耐食性がよくなる。2.オーステナイト鋼の溶出速度Da(mg/mの2乗/h)、およびフェライト鋼の溶出速度Dfはそれぞれ「log10Da=10.7873-6459.3/T」「log10Df=7.6185-4848.4/T」として表される(T:温度(K))。これら各材料の溶出速度Dに基づき、「C=(D$$times$$t)/$$rho$$$$times$$10のマイナス3乗」として腐食量C($$mu$$m)を評価することができる(t:時間(hr)、$$rho$$:各材料の密度(g/cmの3乗))。3.上記評価式を用いてオーステナイト鋼およびフェライト鋼の腐食量を推定した結果、フェライト鋼に対しオーステナイト鋼の腐食は非常に大きく、400$$^{circ}C$$で約6倍、600$$^{circ}C$$以上になると20倍以上の腐食量となった。鉛-リチウム環境下での現実的な使用温度は、オーステナイト鋼で400$$^{circ}C$$(30000hrで約60$$mu$$mの腐食量)以下、フェライト鋼でも500$$^{circ}C$$(30000hrで約80$$mu$$mの腐食量)以下と考えられる。

報告書

オーバーパック候補材料の腐食に関する個別現象解析モデルの研究

柴田 俊夫*; 瀬尾 眞浩*; 杉本 克久*; 水流 徹*; 井上 博之*

JNC TJ8400 2000-013, 38 Pages, 2000/02

JNC-TJ8400-2000-013.pdf:3.25MB

これまでに核燃料サイクル開発機構(旧動燃事業団)が実施してきたオーバーパックに関する研究成果についてレビューし評価をおこなったのに引き続き、腐食防食協会の中に専門家による委員会を継続した。腐食科学の観点から、材料選定の考え方、実験方法、寿命評価手法など、より具体的な指針として役立てるべく、個別現象解析モデルの研究をおこなった。本書が、今後の研究開発の過程で利用され、オーバーパックに関する研究に役立つことを期待するものである。

報告書

銅-炭素鋼 複合オーバーパックの試作

本間 信之*; 千葉 恭彦*; 棚井 憲治

JNC TN8400 99-049, 94 Pages, 1999/11

JNC-TN8400-99-049.pdf:6.63MB

本報では、高レベル放射性廃棄物の地層処分の人工バリアを構成する要素の一つであるオーバーパックについて、複合オーバーパックの現有技術での製作可能性を確認するために実規模容器での試作を行った結果を報告するものである。耐食層の材質については、超長期の耐腐食性が期待できる無酸素銅を選択した。複合構造については、耐食層である銅の外容器と、強度部材となる炭素鋼の内容器からなる2重容器構造とした。試作は銅製外容器のみ実施した。無酸素銅およびリン入り無酸素銅を用いて両者の比較を行った。製作方法については、胴部および底部については後方押出し加工による一体成形法とし、蓋部については本体との溶接を電子ビーム溶接法を用いて行うことした。試作後、容器から採取した試験片を用いて各種機械試験を実施し、今回採用した銅製外容器の後方押出し加工による製作方法は、現有技術で十分に対応可能であることを確認した。蓋の溶接部については超音波深傷試験を実施し、電子ビーム溶接の適用性を確認した。またオーバーパック寿命期間中にガラス固化体から発せられる放射線による炭素鋼内容器の脆化の程度を検討した結果、無視できるレベルであることが分かった。最後に今後検討されるべき課題をまとめた。

報告書

チタン-炭素鋼 複合オーバーパックの試作

本間 信之*; 千葉 恭彦*; 棚井 憲治

JNC TN8400 99-048, 85 Pages, 1999/11

JNC-TN8400-99-048.pdf:4.31MB

本報は、高レベル放射性廃棄物の地層処分における、人工バリアを構成する要素の一つであるオーバーパックについて、構造強度層に炭素鋼を、耐食層にチタンを用いたチタン-炭素鋼複合オーバーパックの、現有技術での製作可能性を確認するために、その設計および実規模大での試作を行った結果を報告するものである。設計に当たっては、一般の原子力施設に適用される基準により必要な耐圧厚さを計算した。また有限要素法による解析を実施して、結果の妥当性を確認した。また、オーバーパック内部に収納するガラス固化体から発せられる放射線の遮へいについて計算し、オーバーパック遮へい機能の必要性を検討した。結果、オーバーパックには輸送基準を満足するために必要な遮へい機能は与えず、別途搬送用機器等で遮へいする方式が合理的であることを示した。以上の検討をもとに実規模大での複合オーバーパックの試作を行った。耐食層の材質については、超長期の耐腐食性が期待できるチタン材のうちASTMGrade-2材を選択した。チタン耐食層の施工は、オーバーパック円筒部と平面部に分けて実施した。円筒部については内層である炭素鋼容器に円筒形に成形したチタンの外層を焼きばめ挿入する方式を採用した。また蓋部、底部などの平面部については、チタン板材の爆発圧着法による被覆方法を採用した。本体と蓋の封入溶接については、電子ビーム溶接とMAG溶接とを組み合わせて実施した。いずれの工程においても不具合等は確認されず、チタン-炭素鋼複合オーバーパックの現有技術での製作可能性が確認できた。最後に今回の試作結果をふまえ今後検討されるべき課題をまとめた。

論文

鉄-シリコン合金の沸騰硫酸中耐食試験

井岡 郁夫; 小貫 薫; 二川 正敏; 栗木 良郎*; 名越 正泰*; 中島 隼人; 清水 三郎

硫酸と工業, 52(4), p.1 - 6, 1999/04

95wt%硫酸及び50wt%硫酸の沸騰環境におけるFe-Si合金の腐食挙動を調べた。合金の耐食性は、硫酸組成に応じて特定のSi含有量にて急変した。合金を不動態化するために必要な臨界組成は、95wt%硫酸では9-10%Si,50wt%硫酸では12-15%Siの範囲に存在する。耐食性合金表面に形成される酸化皮膜をオージェ分光及びX線回折により調べた結果、皮膜は非晶質のSiO$$_{2}$$から成り、酸化性の95wt%硫酸中で生成する場合はSを含み、還元性の50wt%硫酸中で生成する場合はSを含まないことが判明した。皮膜成長速度は、母材のSi含有量と硫酸濃度に大きく依存した。

論文

沸騰硫酸中における鉄-シリコン合金の耐食性と表面皮膜の性状

井岡 郁夫; 森 順二*; 加藤 千明; 二川 正敏; 小貫 薫

日本金属学会誌, 63(5), p.609 - 612, 1999/00

高シリコン鋳鉄は、硫酸中で良好な耐食性を示す。耐食性の発現機構を調べるため、沸騰硫酸下で生成したFe-Si合金の耐食皮膜の特性を調べた。試験片は、Fe-20%Si合金を用い、50%及び95%の沸騰硫酸に浸せきした。50%硫酸の皮膜表面は金属光沢を、95%硫酸では金属光沢のない黒褐色を示した。オージェ電子分光法により、皮膜の組成は50%硫酸ではSiとO、95%硫酸ではSi,O,Sから成ることがわかった。皮膜の生成速度は、95%硫酸の方が50%硫酸より一桁程度速かった。また、X線光電子分光法により50%硫酸の皮膜はSiO$$_{2}$$であり、95%硫酸の皮膜はSiO$$_{2}$$とSiOであることがわかった。95%硫酸の皮膜中のSは分子状のままで存在する硫酸分子のSへの還元反応により生成されたもの、被膜の生成速度の違いは被膜自体の緻密さによるものと考えられる。

論文

Viscosity of amorphous oxide scales on SiSiC at elevated temperatures

二川 正敏; Steinbrech, R. W.*

Journal of the American Ceramic Society, 81(7), p.1819 - 1842, 1998/07

シリコン系セラミックスの高温耐食性は、酸化雰囲気中で形成されるシリカ皮膜の保護機能に支配される。高温耐食容器構造材料として着目されているSiSiCセラミックス上に形成された結晶質と非晶質の二層より成る二重構造シリカ皮膜の粘性特性を調べた。まず、シリカ膜を表面に形成した試験片を高温中で圧縮荷重をある一定時間負荷することにより、皮膜を介して接合した。この接合した試験片を用い、接合皮膜層にせん断荷重を負荷,保持し、その後のリラクセーション挙動よりシリカ皮膜の粘性特性を評価する方法を考案した。新たに考案した測定法により、920$$^{circ}$$C$$sim$$1020$$^{circ}$$C範囲でシリカ皮膜の粘性について調べた結果、不純物を含まないシリカガラスとアルミノシリカガラスとの中間的な値を示した。この値はシリカ皮膜中に含まれる不純物(Al,K)を考慮すれば、よく理解できることがわかった。

報告書

Ti-Nb合金の試作

竹内 正行; 大橋 和夫; 藤咲 和彦*; 石橋 祐三; 武田 誠一郎

PNC TN8410 98-060, 74 Pages, 1998/03

PNC-TN8410-98-060.pdf:4.25MB

(目的)本件は、Tiより耐食性に優れ、かつTi-5Ta、Zr等よりも装置の製作コストが安価な材料を創製することを目的として実施した。(方法)機器材料開発室で行なった耐食性Ti系合金の試作結果に基づき、Tiの耐食性を向上させる元素としてNbを選定した。そしてNbの添加量を変化させたTi-Nb合金を4種類(Ti-3Nb,Ti-5Nb,Ti-10Nb,Ti-20Nb)試作した。試作した合金について機械的強度、熱間加工性、耐食性に関する評価を行なった。(結果)評価結果を以下に示す。(1)いずれのTi-Nb合金も、目標通りの組成に溶製できた。(2)TiにNbを添加することにより機械的強度は強化され、Nb量とともに強化の度合いは高くなる。なお、いずれの合金についても熱間加工性は良好であるといえる。(3)Ti-3NbおよびTi-5Nbの室温での曲げ加工性は良好であった。Ti-10Nbでは1枚は良好な結果であったが、1枚について部分的に肌荒れが観察された。なお、Ti-20Nbはまったく変形せずに破断した。(4)酸回収蒸発缶模擬液中において、Ti-Nb合金の腐食速度はNb添加量とともに低下し、いずれの合金についてもTiより優れた耐食性を示した。Ti-Nb合金の腐食形態は、いずれも全面腐食であった。(5)Ti-Nb合金の優れた耐食性は、表面に生成するTiO2皮膜に起因している。NbはNb2O5として材料表面に濃縮し、TiO2皮膜の保護性を向上させると考えられる。(結論)今回試作した4種類のTi-Nb合金のなかでは、Ti-10NbがTi-5Taより安価で、高い耐食性と良好な加工性を兼ね備えた合金であるといえる。より最適なNb量の決定に際しては、10wt%Nbを中心としてNb量をパラメータとしたTi-Nb合金を試作し、各種評価を実施する必要がある。また、機器材料としたときに要求される溶接性についての検討も必要である。

報告書

複合オーバーパックの設計研究(II)(研究概要)

not registered

PNC TJ1211 98-005, 62 Pages, 1998/02

PNC-TJ1211-98-005.pdf:2.65MB

高レベル放射性廃棄物地層処分の研究開発においては、人工バリアに要求される性能を確保し得る技術的方法を明らかにするため、人工バリアの設計、製作及び施工に関する工学的検討が行われている。現在、人工バリアの構成要素の一つであるオーバーパックについては、炭素鋼単体構造からなる炭素鋼オーバーパックと、構造強度を維持するための炭素鋼本体にチタン、銅などによる耐食層を設けた二重構造からなる複合オーバーパックという二つの概念が示されており、それぞれに対してその機能性、施工性の面から検討が進められている。本委託研究では、鋼を用いた複合オーバーパックについて海外における検討事例の調査および鋼材料に関する調査とオーバーパック耐圧強度に関する検討等を実施し、これに基づいた構造概念の構築を行った上、詳細設計を実施した。次に、品質管理に関する検討ならびに放射線損傷に関する検討を行った。

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